東京・東京都美術館


東京都美術館の現在の建物は1975(昭和50)年9月に竣工しました。設計は、株式会社前川國男建築設計事務所(現:前川建築設計事務所)によるものです。日本のモダニズム建築の巨匠・前川國男は、公共建築の設計では、広場やロビー、レストランを重視しています。
敷地内へ足を踏み入れたとき、大濠の福岡市美術館を思い出すのはそのせいでしょう。

建築家・前川國男について 1905(明治37)年5月14日~1986(昭和61)年6月26日。新潟市生まれ。 1928(昭和3)年に東京帝国大学工学部建築学科を卒業すると同時に渡仏し、巨匠ル・コルビュジエのアトリエで学びました。 帰国後、アントニン・レーモンドの事務所に入り、1935(昭和10)年に独立。 その後日本を代表する建築物を数多く手がけ、日本の近代建築史に大きな足跡を残しました。


1975(昭和50)年の建物竣工から約36年が経ち、施設や設備の老朽化が進みました。 2010(平成22)年3月から2012(平成24)年2月にかけて大規模改修工事を実施。 改修は、既存の躯体を残したうえで全面改修工事となりました。








エントランスホールを含むメインフロアは地下1階に設定され、機能ごとにブロック化された公募展示棟、企画展示棟、文化活動棟に取り巻かれたエスプラナードから、地下1階の広場へ求心的に導くよう計画されました。この配置は外部空間を疎外せず、しかも公園とのつながりを求め、なおかつ館内導線をわかりやすくするよう意図されたものです。


敷地周囲に「銀杏」「椎」「けやき」といった巨木が上野の森を形成しており、この環境を疎外させないよう、注意深くどのように配置するかを考慮されています。


東京都美術館旧館について
東京都美術館 は、1926(大正15)年5月1日に東京府美術館として開館しました。早稲田大学や東京美術学校で教壇に立ち、多くの後進を育てた 建築家岡田信一郎の設計によるものです。その建物は、四方の入り口に 列柱を配したヨーロッパ古典主義 の建築でした。

岡田信一郎 1883(明治16)年~1932(昭和7)年。東京生まれ。 東京帝国大学建築学科 卒業、 東京美術学校(現・東京藝術大学 )、早稲田大学で教壇に立ち、多くの後進を育てた。 大阪市中央公会堂のコンペでは最年少で1等となる。 様式建築の名手と言われた。 手掛けた主な建築は、大阪市中央公会堂[1917(大正6)年<重要文化財>]、 歌舞伎座[1924(大正13)]年、明治生命館[1934(昭和9)年<重要文化財>]など(都美術館HP)