帆船祭

長崎は和風、中国風、オランダ風が混在する異色の町です。離れて一層感じるようになりました。
この20年余りで、長崎港の景観は大きく変貌しています。魚市場には沿岸や沖合漁船がひしめく全国でも指折りの漁港でしたが、郊外へ移転しました。それから埋め立て工事が進み、観光向けの岸壁や公園が整備されていきます。 そして近年、長崎駅と港との間に県庁新庁舎が完成、新幹線ホームもほぼ完成です。
公園岸壁へは駅から徒歩15分。4月末の帆船祭では、日本丸ほか多くの帆船が出そろいます。練習生によるセイルドリル(操帆訓練)が圧巻です。
海風に舞っているのは長崎のハタ(凧)。本来は一枚の凧の糸にビードロ(ガラスの粉)をまぶし、相手の糸を切って争う喧嘩凧です。唐八景は半島特有の山上で、東西双方からの海風が凧を躍らせます。

福済寺・フーコーの振り子

長崎駅から徒歩10分。駅前から見上げると、亀の霊廟に観音様が立っているのですぐにわかります。観音頭部の内側には振り子が取り付けられ、それは本堂の天井と床を通り抜けて地下室へと垂直に降ろされています。円盤までの高さは25メートル。先端の金属球は正確な振り子運動を続けながら地球の自転に従って回転します。
緯度の関係で日本では360度回転することはない、と何度説明されても、実はいつも理解できずじまい。解らないなりに電池も動力もなしに動いていることが不思議です。今回は振り子が壊れたとのことで残念でした。2020年撮影。

中町教会

長崎駅から徒歩5分。ミサ等の妨げにならない限り自由に入ることができ、清楚なステンドグラスを見ることができます。明治時代、フランス人女性からの寄付で建設されました。その名残りもあってか、ここでフランス人のシスターから会話を習ったことがありました。大浦天主堂の潜伏キリシタンの発見で、浦上天主堂の爆心地ほど有名ではありませんが、中町教会はキリシタンが収監された桜町牢の跡地に建っています。

聖福寺

2012年撮影。崇福寺、興福寺、福済寺と並んで四福寺と呼ばれ、歴史も格式もある唐寺です。しかし境内の屋根瓦も落ちてきそうに荒れていました。お寺のかたが、「修復をしたいが、費用が膨大な額で難しい。」と嘆かれたのが、いかにもと思われて気の毒でした。
廟や鐘楼の戸には桃を描いたレリーフが美しく、朽ち果てては悔やまれます。あれから10年足らず、市の援助や寄付が集まっているでしょうか。映画「解夏」のロケ地です。

グラバー園

グラバー園は下のゲートから入り、動く歩道で園内を巡るのが一般的です。近年「グラバースカイロード」が出来たので、上のゲートからも入れます。 石橋の電停すぐ、徒歩であれば地獄坂ですが、このエレベーターを使えば無料でらくらく登れます。 しかも夜更けまで稼働していて、グラバー園に入らなくても対岸の造船所や稲佐山の夜景を満喫できます。
白い屋敷はグラバー園の旧オルト邸。近くに、同じく園の敷地内で生活している民家があります。折から出会った郵便屋さんが、「毎日配達している。」と言って専用の隠れ木戸を出入りしているのも愉快です。